この作品は、日本の石庭「枯山水」に囲まれ、色鮮やかな紅葉に包まれながら、壮麗な着物を纏った人物が座っている様子を捉えています。周囲を舞う雪とともに、孤独と静寂の美「侘び寂び」を体現しているのです。
着物には、正装として最も格式の高い「松」の模様が施されており、特別な儀式の際にのみ着用されます。また、「青海波」の模様は、穏やかな海を象徴し、静けさを表しています。
このイラストレーションは、Wacom Cintiq Pro 32を使用し、Easy Paint Tool SAI 2.0ソフトウェアで描かれました。935枚のキャンバスレイヤーを重ねることで、作品に深みと複雑さを与えています。
視覚的な焦点は、背景の彩度が高いにも関わらず、中央にいる人物に自然と集まります。これは「ぼかしの視点」という技法を用いており、明確な遠近感を排除しながらも、非ぼかしの要素、すなわちこの絵画の中心に座る人物に視線を一点に集中させる効果を生み出しています。
この作品は、2017年から2018年にかけてぼんやりとしたインスピレーションとして形成され、2019年12月に実際の作画が開始され、2020年1月に完成・公開されました。着物の模様の意味に関する特に研究を行い、不適切なデザインを避けながら、文化的かつ視覚的に最も効果的な組み合わせを選び出しました。
このデザインは、2024年にA'デジタルアートアワードでアイアン賞を受賞しました。アイアンA'デザインアワードは、専門的かつ産業的な要件を満たす、よくデザインされた実用的で革新的な作品に授与されます。業界のベストプラクティスと優れた技術特性を統合し、満足感と肯定的な感情を提供し、より良い世界に貢献することが評価されています。
プロジェクトデザイナー: Jui-Ping Lee
画像クレジット: Jui-Ping Lee
プロジェクトチームのメンバー: Jui-Ping Lee
プロジェクト名: New Year
プロジェクトのクライアント: Jui-Ping Lee